空手を始めたときのこと2 心に火を点ける

何かを始めるきっかけは人それぞれですが、子供に何かを身に着けさせるにはきっかけや動機付けが必要だと思います。

 

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初めての正拳突きです 思い切りがいいです

子供が3歳くらいのころから進研ゼミで未就学児用の教育を行うようになりました。流石は歴史のある学習教材です。モノや生き物、数字といった身近なものから文字や数字といった概念への導入がとても上手に教材にされていると思いました。始めたときにもらえるしまじろうのぬいぐるみも、本当に大切にしていました。毎年バージョンアップされているみたいで、買い物の折、ほかの子が大事に抱えているしまじろうを見ると服や靴が少し変わっていることに子供は気が付いています。

 

本当に小さなころは絵本を読むようにこどもチャレンジに取り組めたのですが、ある時から嫌がったり、「ちゃれんじやりたくない!」と拒否するようになりました。急だったので不思議に思いましたが、子供の様子や教材の中身をよく観察すると、教材の内容がひらがなやカタカナ、数字の学習の段階に来ていました。

 

教材のイラストはカラフルでかわいく、絵本のようです。しかし、「学習」ですから名前を「言わされる」、数を「数えさせられる」と彼が興味を持った部分以外の作業に煩わされることになったわけです。子供はイラストの中のちょうちょに見とれていたり、道路の道順に夢中になっているのですが、チャレンジが問うのはしまじろうがなにをしているか、だったり、道路を走る車の数だったりするわけです。

 

正直僕もまじめに勉強をしてきたタイプではないので「そんなに嫌ならいいんじゃないか」とか「無理やりさせるのは可哀そう」などと思って奥様にも無理強いしてほしくないことを伝えました。そうすると奥様は「できないほうが可哀そうなことになる」「できるほうがこの子のためになる」と喧嘩になってしまうわけです。いや、奥様のおっしゃることはごもっともです。子供が興味を持つことと、学校で聞かれる問いの内容には当然乖離がありますから。「学校での問題に答える力」をこの段階から身に着けていくのも大事かなとは思います。でも、むっちゃ嫌がるんだよなあ。泣くほど嫌がるんだよなあ。

 

こどもチャレンジをやらせることに消極的な僕と異なり、奥様はとても積極的に取り組ませていました。「一日必ずこれだけやろう」とルールを決めたり、テレビを見る前にやらせたり。

 

当初は嫌々取り組んでいた子供も、たまにやる気を見せることが増えてきました。「すげーな、なんでだろう」と思って二人の様子を観察していると、奥様のかける言葉に気が付きました。「すごーい!」「よくできたねー」「頭いいねー!」僕から見ると大げさに見えるくらい褒めているのです。

 

でも、おだてているわけではなくて奥様は本当に「すごーい!」「よくできたねー」「頭いいねー!」と思っているそうです。これってある意味「ピグマリオン効果」なのかなあと気が付きました。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%B0%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%8A%B9%E6%9E%9C

 

学校でも先生が「この子は伸びる」「よくできる子だ」と愛情や期待を注ぐとそれにこたえて学習効果が向上するというあれです。大好きな親に褒められて、自分に自信を持っていくという大事なプロセスが二人の間に出来上がっていたようでした。僕はあまり褒められて育っていないので人を褒めたり、おだてたりするのがへたくそな社会人ですが、今までできなかったことを理解していく子供の認知能力の向上に感心することも多くありました。それからは心から「すごいじゃん!」「よくできたね」「やるねー!」と言うようになりました。

 

あ、空手の話を書こうと思っていたんだった。これまでに書いたように、うちの子はぬいぐるみを並べて平和な村を作って遊ぶ子供だったので、武道に興味を持たせる必要がありました。テレビでも仮面ライダー戦隊ものなど商魂たくましすぎるものはあまり見せていませんでした。そのため保育園で戦隊ごっこをしても「オレンジ」や「水色」をチョイスしてみんなに不思議がられていたようです。

 

ところが不思議なことに時々おもむろに闘いの構えっぽいポーズをとったり、つたない蹴りを放ったりするようになりました。なんでかしらと思っていたら、僕がよくやっていたからのようでした。思い返せば10年以上空手から遠ざかっていましたが、家の中で意味もなく蹴りの練習などをしていたのでした。それをまねしているようでしたが、意外とサマになっているのです。そこで、僕が昔から手をやっていたことや、面白かった仲間のこと、先生のことを話して聞かせました。子供は空手そのものよりも面白かった先生や仲間の話に興味を持ったようでしたが、そこで「君も空手をやってみる?」と聞いたら「やってみたい!」と力強く答えてくれました。

 

鉄は熱いうちに打てではありませんがいくつか空手教室を見学させていただき、先生の指導方法、考え方にとても共感できる道場を見つけました。親子そろって入門させていただくことにし、もう少し火をつけなきゃなと勿体つけて道着を渡し、身につけさせました。なかなか気合の入った顔を見せてくれたので写真を載せておきます。

 

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やたらと気合の入ったポーズですが 生まれて初めて道着を着ました

こんな具合に空手を習い始めましたが、当初のやる気が持続するわけもなく「行きたくない」「今日は休もう」とさぼり癖が出てしまいます。

 

タイトルで心に火を点ける、なんて言いましたが、心に火をつけてもその炎があまり激しく燃え上がってはいけない気がします。時々燃え上がったり、消えそうになったりすることはありますが、大事なのは火が完全に消えてしまわないようにフォローやメンテナンスを行って持続させていくことだと思います。

幸い、現在も空手を続けており勉強もベネッセからZ会に代わりましたがなんとか持続しています。嫌がって泣き言をいうこともありますが続けていくことが大事だと胸に刻んででっこみ引っ込み一緒に続けていく所存です。

 

どうもです。次回はうちの家族柴犬のまんじろうの話をしようと思います。

 

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ガジ